まだ何かあるのか、憂いを帯びた穂嵩の表情。
 「緋奈、君が誰とも付き合う気がないのはまだ那智が好きだから?」

 ……はぁっ!?
 
 「ないから、それは。」
 「じゃあ、どうして?」
 「顔判断で好きって言われても嬉しくないでしょ?だからだよ」
 
 何?
 どうしたわけ?

 穂嵩がおかしくなったみたいだ。
 「俺とは、付き合えない?」
 「付き合ってるじゃん」
 契約、だけど…
 「契約で、でしょ?そうじゃなくて、俺をちゃんと緋奈の彼氏にしてほしいんだ…」
 切なげに懇願される。

 何それっ!?
 
 「俺、緋奈の全部が好きだよ?意外と毒舌なところも凶暴なところも全部」
 
 っ、

 「ずっと前から緋奈のこと好きなんだ…」
 イケメンは、どんな顔をしてもイケメンみたいだ…

 だって、こんなしょーもないこと考えてなきゃ平常心なんて保てないよ!!
 
 「緋奈は、俺のこと…嫌い?」
 ちょこんと首を傾げてきいてくる。

 あ、狡い…
 そんなの___

 「っ、嫌いなわけ…ないでしょ」
 「じゃあ、好き?」
 「そっ、れは…」
 分からない。
 その言葉は穂嵩の優しい口付けで言えなかった。
 「抵抗、しないんだ?」
 
 っ//////

 「好き、なんだよね?俺のこと」
 意地悪ばかり囁くその口を今度は私が塞いでやった。
 「大好きだよ、ばか」
 「俺は…愛してるかな」
 今日をもってこの契約は破棄、されました(笑)
 明日からは……
 まぁ、想像にまかせるよ