「好きですっ!!付き合ってください。」
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど、私あなたのこと好きじゃないから付き合えないわ。」
「そっか…ありがとう。」
「ううん、こちらこそ。」
はぁ。
思わず零れるため息。
この際仕方ない。
だって見ず知らずの人に告白されても困るでしょ?
されに、言い寄ってくる人のほとんどが顔判断。
鬱陶しいったらありゃしない。
どうせさっきの男も私の顔だろうし…
生まれてこの方中身を見て告白されたことなんて、ない。
疲れた
なんて他人事で屋上に上がれば、微かに聞こえる人の声。
あら、デジャヴ…
泣きながら出て行った女の子を無表情に見つめる男がいた。
「大変だねー。顔がいいってだけで告白されて。」
あまりにも自分と似た境遇で気付いたら声かけてた。
「君もでしょ?宮間緋奈サン」
さっきまで無表情だったくせに今では穏やかな笑みを浮かべてる男は確か__
「澤島穂嵩。君と俺、似たもの同士だね。」
そう、だ。私の男版みたいな奴。
「やだ、一緒にしないでよ。私は尻軽じゃない」
「あぁ、確かにそこは違うね。」
ただこいつは抱けと言われたら平気で抱く男だ。
「だって、抱いてって言われるんだもん。抱かなきゃ面倒じゃん?」
…私には理解不能。
「ま、大変ね。お互い」
それだけ言って立ち去ろうとすれば、
「サボるんでしょ?宮間緋奈サン」
何故フルネーム?
「サボるよ、悪い?」
何故か喧嘩腰に返事を返す。
「一緒にサボろ?」
「何故?」
「んー、なんとなく?」
訳分からん。
が、
「奢るから、」
釣られた。
「ファミレス行こ」
現金な女なんだよ、私。
ってことで、目立つ男と連れ添って学校を後にした。