#2空

「みんなー席に着け、出席とるぞー」

僕は窓側の席。ここから空を眺めるのが好きだ。昨日の雨が嘘みたいに今日は快晴だ。
頬杖をつき、空を眺める。

(……きれーだなー)

「…あと少し…」
『!』

ふと聞こえたささやき声。
周りを見ても言ったような奴はいない。

(……空耳…)

『……!』

外に向き直るとグラウンドの端、ちょうど僕が目を向けた場所に奴はいた。

こいつが声の主だと悟った。
根拠はない。
身に覚えのない恐怖が僕を襲った。
奴は口角をあげ、ゆらゆらと消えていく。

(なんだよ……なんかの心霊現象か?なんか憑いてんのか?)

最初はこんな風にまあ誰でも考えそうな事を思ってた。