「不思議とは思わなかったのか?変だとは思わなかったのか?おまえのいる場所に李子がいる。好きなことも対して変わらない。そして兄である俺が付きまとう。」
『それがなんだって………!偶然ってこともあるんですよ!』
「ほう…お前は偶然で終わらせるのか。」
『え…?』
「それがもし必然なことだったら?」
僕は先輩の言う意味がよく理解できないでいた。
「お前はあの時何故李子に傘を貸そうと思った?」
『……!!』
教室は静まり返る。
何の音も耳には入ってこない。
何故、先輩が傘を貸したことを知っている?
「それはお前を監視してたからだ」
『!!!』
僕の中は恐怖で染まっていた。
勢いよく立ち上がりドアを目指す。
「おっとどこいくんだ?」
(さっきまで窓際に!)
「だからなんだ?(笑)」
まるで心の中を見透かされているよう…いや見透かされている。
思ったことにあう返事が返ってくる。
(先輩は…何者ですか?)
僕は心の中でそう尋ねた。
先輩の口がゆっくりと開く。
「俺か?俺は陰陽師だ」
先輩の口はゆっくりと弧を描く。
恐ろしかった。全身から変な汗が吹き出てくる。
『陰陽師が何か?』
「この状況でよく生意気な口が利けるな?いや、内心震えんのか(笑)」
そう言うと先輩の右手が僕の顎を上げる。
「てめえはもう逃げらんねえ。恨むなら自分が生まれてきたことを恨め」
そうゆうと僕から距離を置く。
『せんぱ…』
(僕が生まれてきたことを恨む?)
「お前は獲物だ。捕まえられたら八つ裂きにされて喰われちまう」
『え…?』
「てめえの魂をな………」
その時僕は初めて思った。ものすごく深く暗い何かに自分が巻き込まれていると。

