「ここでいいかな」

そこは体育館裏倉庫前。

僕は何を言われるのか内心どきどきしていた。

「お前、俺の妹と付き合ってんの?」


『は?』

いきなりな事を言われ僕は突拍子な声を上げる。

「は?、じゃねーよ。妹とつきあってんのかって聞いてんだ!」
『妹って…』
「篠原李子」
『いえ…付き合ってはないですけど先輩と苗字が……』

最後の方の尋ねには聞く耳持たなかったのか、
「よかった〜」


その場に座り込む。

『苗字が…………』
「李子とお前が付き合ってたらお前まじで殺るとこだったわ」
『あっあの…』
「苗字が違うって?まあいろいろ事情があんだよ」
(変な人だ)
「とにかく!俺の李子には手出すな!特に一ノ瀬和哉お前は!」
『なぜですか?』
「何故?お前李子の事好きなのか?え?そうなのか?」
『好きですけど………』
「何!!殺すぞてめえ!!!」
『待ってください!お兄さん!』
「お兄さんなんて気安く呼ぶな!」
『篠原さんとはこの先恋人なんかには発展しません!』
「そっそうなのか?」

掴んだ襟首を離してくれた。

「わりいな。俺は宮視氷臥(ミヤミヒョウガ)。よろしくな」
『あっはい…』
「まじで李子に手出すんじゃねーぞ」

彼はそう言い残し去っていった。


彼との出会いはここだった。