#4兄

「なあ一ノ瀬、おまえ最近篠原って奴と仲いいよな?」
「彼女か?」
『違いますよ』
「嘘だろ?俺らに嘘ついてんじゃねーよ」
『君達に嘘ついて何の得がありますか?』
「てめぇ…最近生意気だな?調子乗ってんじゃねーよ!」
『調子なんか乗ってないですよ』
「その口調イライラすんだよ!」

あの俺をパシってくる連中に俺は絡まれてた。ちょっと強い口調で言っただけだ。一人が僕に拳を振り上げる。


ガタン!

無残にも僕は床に倒れる。
周りからこそこそとしゃべり声が聞こえる。どいつも笑いの眼差し。


『……』
「何もしねーとか思ってんのなよ、いつでもてめえのこと半殺しにだってできんだぞ」
『なら…』
「あ?」


僕は今までのたまったものがあふれたのかもしれない。

『やってみろよ』


地雷踏む言葉を吐いた。

「!!」

力を込めた拳が振り上げられる。

だが、その拳は俺に着くことはなかった。