#3お守り
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り授業の終わりを知らせる。
次は昼休み。僕は弁当箱を持ち屋上へ向かう。
『篠原さん』
「こんにちは」
僕達はいつもここで昼食をとっている。
『今日も自分で?』
「いつもですよ、料理とか好きだから」
『お母さん…とかは…』
「……」
まずいことを聞いたと思った。だが彼女は間をおいて語り出す。
「母は数年前亡くなりました。今は父と兄と3人暮らしです。」
『すいません…知らずに……』
「いえいいんですよ、そういえば一ノ瀬さんに私のことあまり話せてないですね。あなたのことは教えていただいたのに……」
『別にいいんで「聞きたいですか?」…あっ……はい…』
彼女から威圧感が漂う。
まるで"聞け"と言ってるように……。

