「先生、お姉ちゃんを助けて。先生!」
「残念だが私の力ではどうすることも……」
そう言って医師は表情を曇らせる。
「父さん、母さんのバカ! 父さん達が姉ちゃんを見殺しにしたんだ!」
ガバッと飛び起きる宮原慎一。
「またあの夢か、いやな夢だ」
既に夜は明けていた。
「散歩でもするか」
慎一は、玄関の戸を開け外へ出た。
ふと、家の前に人が倒れている。
金髪の長い髪、長身、白い変わった衣装、そして背中には白い羽を身にまとった
若い女性がそこに倒れていた。年齢は18歳ぐらいであろうか?
「おい、しっかりしろ」
話かけたが反応がない。そこでゆすってみた。
やはり反応はなかった。だが、まだ息がある。体も温かい。
「まだ生きている」
慎一は、女性を抱きかかえ家の中へ。そして居間のソファーに寝かせた。
しばらく時間が過ぎた。
やがて彼女はゆっくりと目を開けた。
「気がついたか?」
慎一は話しかけてみる。
「ここは?」
彼女があたりを見わたした。
「俺の家だ。君は家の前に倒れていたんだ。どこか痛いところはないか?」
「いいえ」
「どうして家の前に倒れていたんだ?」
慎一の問いかけに彼女はしばらく黙り込んだあと、ゆっくりと話始めた。
「実は私、追われているんです。黒崎っていう犯罪組織の指導者に。
私は、黒崎に呼び出され、契約しました。
そして、彼を幸せにするために、願いを叶えるつもりだったんですが……
でも、その願いとは、刑務所に収監中の仲間を釈放しろとか、敵対組織をせん滅させろとか、あげくの果てには、自分の息のかかった者を公権力の中枢にすえて、捜査機関の息の根を止めろと、要求してきたのです。
私は犯罪には協力出来ないと、全て拒否しました。それが、黒崎の怒りを買ったのです。
お前は俺の願いを叶えるために契約したんだろと。
そして私はとらわれの身となったのです。黒崎のビルの一室に監禁されました。
私はすきを見計らって、脱出しました。
ところが、ビルの外へ出たところで、黒崎の手下に見つかってしまいました。
それでも私は逃げました。そして疲れて倒れていたのです」
「でも、何でそんな奴と契約したの。ところで契約って何?」
契約の意味がよく分からない慎一。
「実は私、天使なのです。天上界から人間界を見守り、人々に幸せを与えるのが私達の仕事なのです」
慎一は訳が分からなくなってきた。
「残念だが私の力ではどうすることも……」
そう言って医師は表情を曇らせる。
「父さん、母さんのバカ! 父さん達が姉ちゃんを見殺しにしたんだ!」
ガバッと飛び起きる宮原慎一。
「またあの夢か、いやな夢だ」
既に夜は明けていた。
「散歩でもするか」
慎一は、玄関の戸を開け外へ出た。
ふと、家の前に人が倒れている。
金髪の長い髪、長身、白い変わった衣装、そして背中には白い羽を身にまとった
若い女性がそこに倒れていた。年齢は18歳ぐらいであろうか?
「おい、しっかりしろ」
話かけたが反応がない。そこでゆすってみた。
やはり反応はなかった。だが、まだ息がある。体も温かい。
「まだ生きている」
慎一は、女性を抱きかかえ家の中へ。そして居間のソファーに寝かせた。
しばらく時間が過ぎた。
やがて彼女はゆっくりと目を開けた。
「気がついたか?」
慎一は話しかけてみる。
「ここは?」
彼女があたりを見わたした。
「俺の家だ。君は家の前に倒れていたんだ。どこか痛いところはないか?」
「いいえ」
「どうして家の前に倒れていたんだ?」
慎一の問いかけに彼女はしばらく黙り込んだあと、ゆっくりと話始めた。
「実は私、追われているんです。黒崎っていう犯罪組織の指導者に。
私は、黒崎に呼び出され、契約しました。
そして、彼を幸せにするために、願いを叶えるつもりだったんですが……
でも、その願いとは、刑務所に収監中の仲間を釈放しろとか、敵対組織をせん滅させろとか、あげくの果てには、自分の息のかかった者を公権力の中枢にすえて、捜査機関の息の根を止めろと、要求してきたのです。
私は犯罪には協力出来ないと、全て拒否しました。それが、黒崎の怒りを買ったのです。
お前は俺の願いを叶えるために契約したんだろと。
そして私はとらわれの身となったのです。黒崎のビルの一室に監禁されました。
私はすきを見計らって、脱出しました。
ところが、ビルの外へ出たところで、黒崎の手下に見つかってしまいました。
それでも私は逃げました。そして疲れて倒れていたのです」
「でも、何でそんな奴と契約したの。ところで契約って何?」
契約の意味がよく分からない慎一。
「実は私、天使なのです。天上界から人間界を見守り、人々に幸せを与えるのが私達の仕事なのです」
慎一は訳が分からなくなってきた。

