「なんでも?」
ちゃんと聞いてた…
「なんでも…か。」
「なっなんでもって言ってもあの」
春彦の顔が見れなくて思わず下をむく
そんなかのんを見逃す春彦じゃない
「何下むいてんだよ」
大きな手で顔を上に向けられる
「っ…離し…て」
「なんで?アイコンタクトは大事だろ?」
いつもの春彦だ…こんなに近いのに
優しく微笑んでる…
「ふっ…まぁいいよまた今度聞く」
そう言ってから離れた
「あ、飯うまかった…ありがとな」
後ろを振り向かず少し照れた感じ
感謝はさっきもらったのに
2回も言ってくれた
なんか嬉しい…
私は服やチョットしたお泊りセットを家に取りに戻った
「ただいまー…」
返事なんて無い
もう慣れっこだけどね
でも小さい頃から憧れてた
家でご飯を作っているお母さん
おかえりって言って欲しかった
小学生の頃からずっと留守番で
1人が怖くて布団にくるまってた
家族揃ってご飯を食べた思いでなんて無い
不意に思い出してしんみりしちゃった
春彦も1人だからさみしいかな(笑
早く帰ってあげるか!


