それは彼女ー梶山麻乃だった

こんな所で出会えると思ってなかった俺は
めちゃくちゃびっくりした。

どうやら彼女は寝ているようだ。

胸には大丈夫そうに本を抱え、
白いカーディガンを羽織り、
木にもたれてうたた寝をしていた。

俺は初めて彼女の顔をじっくりと見た。

まつげは長く、唇はキレイな色をしていて
薄くもなく厚くもなく、程よい形をしていた。
色が白くて、今にでも壊れてしまいそうなくらい
か弱かった。



俺は彼女の顔をまじまじと見すぎて
彼女と物凄く近くなってしまっていることに
気が付いた。