「小笠原君…康人に記憶を戻してもらったみたいだな」


「あなたのコトも思い出しました…」



「そうか…あの時はすまなかった。随分と俺も手荒な真似をしたからな」


「別に俺は何も気にしていません…今の状況の方が気になります」


「・・・妖を全て消し去るコトか?まさか、俺の仲間が妖の純血種とは…今の芳樹に敵う者は神の中にいない…」



「妖…天狗族に支配される世界が来るってコトですか?」



「妖を芳樹に集めさせ、一気に殲滅すると言ったが…ヤツにはできないさ…お前を殺せと言った…恭から興を削ぐ為の出まかせだ」



「・・・」



「あいつの欠点は優しすぎる性格にある。だから、神として、不十分なんだ…俺もそうかもしれない」



俺は安達社長の言葉を無言で聞き流す。