「…俺は他の妖たちを呼び寄せて、他の神と戦を始めるつもりだ。君にはその『妃女神』の力を使い、妖たちを浄化して欲しい。もちろん、俺も含めて」



「速水さん!?」



「亜希緒を救うために…俺は天狗の力をこの身に取り込んだだけ。封印と浄化は同じように見えて、違う。封印されれば、輪廻の流れには乗れない。浄化は…再び、転生して、この世界に新たな生を宿す。妖たちにも、もう一度、神となれるチャンスがあるんだ」



「・・・」



「妖の力を取り込み、俺も妖に心があるコトを知った。愛の女神も君と同じような浄化の力を持つが今は彼女は身重で、力が使えない」



「私は…まだまだ、半人前で…お役に立てるかどうか」



私は『妃女神』としては半人前。

過剰に期待されても困るから最初から、私の力のなさを速水さんに伝えた。



「そう謙遜するな…」



「謙遜ではなくて・・・本当に…」