「俺は創造神のように殺せとは言っていない…浄化すると言っている…己の立場を危なくするだけなのに、情をかけてやっている」


「・・・」



「俺には妖を浄化する力はない…」


「俺にも浄化は無理だ。俺の封術は…殺すのに近い」


「でも、俺とお前は同じ穴の狢だ…今更、『陰陽庁』の妖退治は出来ないだろ?」


「しかし、俺は小笠原家の名前を汚したくない!」


「お前の花奏は天狗族の手中にある…妻を取り返したければ、俺と手を結ぶ必要があるぞ…。妻よりも家の名誉を取るか?」



俺の片腕の天狗…それは千早。



「お前の妻と芳樹の妻の魂を入れ代えたのは千早だ。お前の父に父親を殺され、従順な振りをして、小笠原家に仕えていたが…それは好機を狙った演技。お前たちはまんまと騙されたんだ…」