薄く妖艶な色の唇が俺に微笑みかける。



「お前とは闘いたくないが、これも主のご命令だ…仕方がない…」


「兄上!?」


「こいつは俺が殺る!!お前らは引っ込め!!!」


「しかし…コイツは俺の…」



「爽爾はお前のキモチはわかるが…こいつはお前の相手には強過ぎる!!」



「知弥お前は俺に勝てるのか?神である俺に…」



智成様の背には青い龍の化身がはっきりと見えた。
腰に提げていた鞘から刃を抜き去った。

銀色の鱗柄の刃。俺の『対極刀』と同じ双剣・・・



「俺の鱗で作った『龍刀』だ…水も切り裂く万能も刀だ」



俺のそばにいた3人を排除するかのように、水の嵐を起こす。



気がつけば、俺と智成様は大きな水の玉の中に立っていた。