「!!?」


『呪いのエンゲージリング』!!?


「何の因果は不明ですが…あなたはこの指輪に天狗の力を封じた。しかし、今…この指輪には何の力もありません…天狗の力は花奏様の躰に封じ込めてありますから、あなたの愛する亜希緒様の魂と共に…」



「なんだと!!?」


冥府の神が私を見つめた。



「目の前にいるのは亜希緒様ですが、中身は花奏様の魂…」



「千早…さん?」



「俺は秘かにずっと、あなた様が天狗の力を覚醒させるのを待っておりました。一向に兆しは見えず。しかし、あなた様は『冥府の神』の力を覚醒させた。そんな時…この指輪が小笠原家に舞い込んだ。知弥様も感じていた強い力…それは天狗の力…神となったあなた様は容易に風前の灯火の天狗族に力を貸すように思えなかった」


「・・・」



「あなた様を動かす方法として、思いついたのが亜希緒様と花奏様の魂の入れ代え。意図的に俺は花奏様に『呪いエンゲージリング』を着けさせた。あなた様の縁に深い指輪が直ぐ様反応。亜希緒様を襲った。そして、ふたりは魂を入れ代えた。花奏様の躰の中に亜希緒様の魂と天狗の力が封じられている」



「君は花奏ちゃん?」
私を見つめる冥府の神。



「はい・・・」
私は素直に返した。