速水さんは仕事が忙しくて、マンションには戻ってこなかった。


私と悠樹君、レーアの3人暮しが続く。



幸い、4歳になる息子の悠樹君は私に馴染んで、一安心。



「ママ…おしっこ」


キッチンに立って、洗い物をしていた私のエプロンの裾を小さな手で引っ張ってきた。


「はいはい」
私は洗い物を止めて、悠樹君と御手洗に直行。



レーアは常に私たちのそばに控えて、SPのように監視していた。



嫌だとは思わなかったけど、逆にレーアが可哀想に思えた。



「どーぞ」


私はレーアを気遣い、コーヒーを淹れた。


「ありがとうございます」