花奏のケーキ完食を待ち、康人の部屋から出た。



「待たせたな…千早」


「いえ、別に…」


千早は今まで通り、俺のそばにいた。



康人が千早の記憶を改竄した。



自分が天狗と人のハーフだと言うコトを除き、全てキレイに消されてしまった。


そうしなければ、千早はまた復讐に走る。



俺と花奏は後部座席に乗り込む。



千早の心情を汲むと残酷なコトしているが、それでも俺は千早にも幸せになってもらいたい。


復讐の為に生きるのではなく、己の為に生きて欲しいと。