亜希都さんに花束を渡すと、彼女はサイドテーブルに置かれた花瓶を持って、病室を出ていった。



「あ、亜希都さん!!?」


「・・・一時はどうなるかと思いました。俺の不注意が招いた…コトですから」


知弥は私が本物の亜希緒さんだと思い言葉を紡ぐ。



「奥様は?」


「未だに、意識を戻していません…。根源の指輪は外れたのですが…強い霊力を纏っていましたから…半人前のクセに…命を張って浄化しようと頑張る…妻の姿を見ていると…やはり、安倍家の血筋は偉大です」



「・・・」


私の躰に入ってるのは亜希緒さんの魂。

彼女が私に代ってーーー・・・


「妻のコトは心配なさらないでください」


知弥は気遣いの言葉を投げる。