無音の廊下に響く俺の靴音。



隈なく院内を歩き回ったが幽霊の気配は全く感じなかった。



「!?」



俺の目の前を黒ずくめの男が通り過ぎた。



俺は男を背中を追ったが、階段付近で見失ってしまった。



俺は屋上だと直感で感じ、階段を駆け上がる。



案の定、俺の予感を当たった。



「お前は誰だ?」


「んっ?」


黒いマントを靡かせて、男は俺に振り返った。闇に光る紅の瞳。


ヴァンパイア?



「お前は…康人の?記憶を改竄したんだったな…」



「何…ゴチャゴチャ言ってる…」