「待ってたぜ…知弥」



玉座に座る全身黒ずくめの冥府神。



真紅の血のような切れ長の瞳で、俺を不敵に見つめていた。



速水社長が冥府神であり、天狗神とは・・・



「神の呪詛を解呪し、ライバルの白鬼を倒した…」


「俺一人だけの力ではない」


康人に智成様の力がなければ、勝てなかった。



組んでいた長い足を投げ出し、玉座から立ち上がった。



そして、壇上から降りて、ゆっくりと俺の前に歩いてくる。



漆黒のオーラが躰から満ち溢れていた。


全てを飲みこむブラックホールのような見たコトのない闇が大広間を侵食していく。