「・・・」


私と亜希緒さんの魂が入れ代わったそう思うのが自然だった。


脳のCTをとったけど、異常なし。


私は明日、退院するコトになった。


「はい、りんご」


亜希緒さんには双子の妹がいた。

その一人が亜希都(アキト)さん。

旦那様は(株)KISARAGIの社長・真柴恭(マシバキョウ)さん。

ハニーブラウンに蒼い瞳の美少年顔。


「ありがとう…」


亜希都さんが私のために切ってくれたりんごを齧った。



「美味しい…」


「異常はないけど、記憶がないって本当?」


「ん、あ…うん」


魂が入れ代わったんだから、亜希緒さんの記憶がないのは当然。


未だに、速水さんにもその事実を告げられなかった。