「なんだか…美味い…匂いのする血ですね・・・兄上だけ、ズルいです!」


滋弥が恨めしそうに、俺を見つめる。



「俺たち妖狐の世界にも、冥府神様から手紙が届きました…妖は冥界に集まれと」



「そうか…天狐はどうするつもりだ?」


「我々…妖狐は時神様の命により、知弥様にお供致します…」


「俺も…兄上に同行しますよ」


「俺だって…同じ天狗の血を持つ者として、千早さんを救う義務がある」


滋弥に閑音…


千早かーーー・・・


でも、俺にはもう千早は止められないかもしれない。