「どうしてそんなもの持ってるの?」


「ん、あ…勝手に拝借した…知弥の部屋にあったってコトは花奏ちゃんの指輪でしょ??」


「・・・」


爽爾君の嵌めた指輪はあの呪いエンゲージリング。


私の指を締め付けるように指輪が食い込み、抜けない。


「この指輪は…呪いの指…」


私の意識の中に誰かが入り込んできた。


この指輪に宿る女性の霊の声。


『殺せ、殺せ…目の前にいる女を殺せ』と呪文のように、囁きかけてくる。



私の目の前にいるのは…亜希緒さん…



「亜希緒さん…私から逃げて!!」