「親父…来たぞ!!」



「おお~っ…康人か・・・」



車椅子に乗った男性が顔だけ振り返り、俺たちを見る。



「ゲンキだったか?親父」



「この通り…元気だ…テレビ観たぞ…相変わらず人気者だな~」



康人の父親も歳を取り、髪が後退して、薄くなっていた。



息子を働かせ、自分はギャンブルに興じ遊んでいた人間。言わば、ヒモみたいな男。



俺的にはあまり、好きではない人種。



「…俺もビックリしたし、緊張した…」



「本…売れるといいなぁー」



「売れたら…親父にも小遣いやるよ」