幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~

(気のせい、かな…?)

愛する人の声が聞こえたような気がした。


………いや、違う。

きっと、この声は――…。










「――行ってきます、未来へ」
少年が呟く。


未来。
私が、見届けられなかった未来。





「必ず、救ってみせます」



そう言って、まるで天使のように、二人は笑った。











――「この花、お前みたいだな」

――「この花は、君みたいだ」







「いってらっしゃい。



―――紫苑(シオン)、

―――撫子(ナデシコ)」











貴方と過ごせて、幸せでした。
貴方を愛せて、幸せでした。
貴方に愛して貰えて、幸せでした。



今私は、幸せです。





「また会いに来るね、お母さん」
16歳。
姫が紫苑や撫子の年齢のときに、こちらの世界にやってきた。


最初は大嫌いで、
でも優しさに気付いて、
いつの間にか大好きになった。




「じゃあ、また。お母さん」

「………うん」




姫は、笑う。