幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~

小野寺の瞳に、涙がたまる。


「私が、治癒能力で…」

「止め、ろ……」



すると、
土方は小野寺の手を握った。



「お前……もう、そんな余裕……な、いだろ?」

小野寺の動きを制する土方。



そう。
時空移動は大量の力を浪費する。
前回小野寺がタイムスリップと同時に眠りに落ちたのはそのせいだった。




「でも、」このままでは…

「俺は」
彼は続ける。



「俺は……直に死ぬ」
唇を、動かす。


「そんなことない!」
小野寺は懸命に首を横に振る。「そんなこと、させない!」




「お前…、言ってるだろ?」




すると、土方は右手を小野寺の頬にあてた。




陰陽道は、何でも出せる魔法ではない。

治せる傷にも、限度があるって。





「………どうも…俺も…お前と一緒に未来を…見れないらしい」
自分の死ぬ瞬間くらい感覚で分かるよ、と自嘲する。



「何言ってるんだよ!」




小野寺は、土方の手を握る。





「何弱気なこと言ってるんだ!私が君を死なせない!必ず、かなら……っ」

首を振り続ける。
涙で口の中がしょっぱい。




「死なせないから……!」





小野寺は、式神を取り出す。





「……おい、やめろ…」

「小野寺姫が命じる……」








パアアアアッ………