拾弐 元治元年
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季節が、巡った。
「………暖かいな…」
チチチチッ
世の中の混乱をよそに、どこからか楽しそうな鳥のさえずりが聞こえる。
文久四年(元治元年)五月。
小野寺姫が幕末にやってきてから、九ヵ月余りが経とうとしていた。
「……そんなところで何やってんだ、てめえ」
「うわっ!?」
突然、小野寺の背後から凛とした声が響いた。
「……脅かすなよ。土方」
新撰組副長・土方歳三だ。
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季節が、巡った。
「………暖かいな…」
チチチチッ
世の中の混乱をよそに、どこからか楽しそうな鳥のさえずりが聞こえる。
文久四年(元治元年)五月。
小野寺姫が幕末にやってきてから、九ヵ月余りが経とうとしていた。
「……そんなところで何やってんだ、てめえ」
「うわっ!?」
突然、小野寺の背後から凛とした声が響いた。
「……脅かすなよ。土方」
新撰組副長・土方歳三だ。