バスケ部の顧問の先生(その頃は、その先生は兄の担任だった)に、入らないかと言われたが、きっぱりと断った。




 特別好きでもなし、得意でもなし、そんなのやるなら算盤やってる方が楽しい。




 地味って言われるかもしれない。




 でも、普通の女の子。




 性格も、暗い方じゃない。




 学校から帰ったら、おやつも食べずにそろばんに直行。




 私にとって算盤は、生活の一部だった。




 もう、当たり前で、無くてはならない存在なんだ。




 私は最近、先生に頼まれて近くに住む後輩と一緒に算盤教室に通っていた。




 特別好きってわけでもなく、特別嫌いってわけでもなかった。




 ただ、先生の頼みごとだから・・・。




 でも、それがいけなかった。