彼女、『お美和様』と呼ばれる。 今日も明日もずっと、きっとこの命が終わるまで彼女は『お美和様』と… 誰かに本当の名前、両親から大切に貰った名前をまた呼んで貰いたいと願っていた。 そう…『りょう』彼女の本当の名前。 ここの城へ入って初めての命令が 「今日からあなた様はお美和様です」 「なぜですか?」 「理由は似合わないからです。殿がお呼びするのに相応しくないからです。その名前はお忘れになって下さい。」 そう言われ、彼女から『りょう』が消された。