たとえば、夕食は何を作ろうかなーとか。

マサキが仲間を誘って食べに来ないかなーとか。

あるいは、どんなDVDを借りようかなーとかね。

そうそう、本屋さんで新刊チェックするのも悪くない・・・。

でも今は、明るい未来を思い描くことができなかった。

大通りへ出て信号待ちしてると、スマホが震えた。

画面を見る。

前田くんだった。

「もしもし・・・」

「マヤちゃん?」

いつもは明るい調子で話す人なのに、さすがに沈んでる。

「マサキから聞いたよ」

「そう」