「オレもまったく同じ考えだよ。確かに六大学リーグのほうが派手だけど、選手個々のポテンシャルは断然、帝都のほうが上だと思うんだ。
もっと帝都にスポットを当てましょうよって、口を酸っぱくして言ってるんだけど、なかなか編集長が首を縦に振らなくてさぁ。
こんなの特集しても部数は知れてるって。
でも、キミという新しい同志が見つかったことだし、もう一度説得してみようかな」

よしよし。オレにシンパシーを感じてくれたようだ。

なんというラッキー・・・運命がオレに味方し始めたのかもしれない。

「微力かもしれませんが、頑張らせてもらいます!」

「頼んだよ! キミの肩にかかってるからね」

企画が通った暁には帝都リーグを取材する許可を即決してくれた。

原田くん、待ってろよ。

宿命の恋敵に一歩、近づいた瞬間だった。

その一歩はオレにとって、とてつもなく大きなものだった。