改札を抜け、地下鉄の階段を昇りきると、大きな車道が目に飛び込んだ。


砂ぼこりの混ざった空気が顔中を埋め尽くす。


オレはプリントアウトした地図に目を落としながらゆっくりとアスファルトを踏みしめた。


この通りは都内有数のラーメン店の激戦区だ。


グルメ誌の常連店が数メートルおきに軒を連ねる。


昼飯時はとっくに過ぎてるのに店によっては行列がしぶとくまだ残る。


オレはそのうちの1つに並んで、スマホを見つめる若いサラリーマンの後ろについた。