マサキは白い湯気を見つめていった。


「電話を受けた人の報告では若い男じゃないかっていってたけどホントのところはわからないからな」


「今ごろあれかしら。有能な占い師として世界の要人の悩みを聞いてるのかな」


「だとしたらますます会いたい。そしてお礼いいたいよ」


「わかるわかる。せめて声を聴きたいよね」


「うん。いつか見つけたい」


「今度ヒーローインタビューで呼びかければいいじゃん。その昔オレの病気を知らせてくれた人、名乗り出てくださいって」


「そんなことしたら偽物からの電話が鳴り止まないよ」


「その中に本物がいるかもしれないじゃん」


「いいや。得てしてこういうとき、本物は名乗り出ないものさ。
下心があるような人間ならとっくにオレの前に現れて大金を要求してるよ」


「それもそうだね」