<マヤ>

彼はむきになって否定した。
「なにもそこまで・・・」と言いたくなるくらいに。


わたしの記憶違いだったみたいだ。


他人の空似っていう言葉もあるし。


わたしは彼がすすめたのよりも二回り小さいテレビを選び、配送を頼むと、エレベーターを降りた。


気のせいだろうか。


背中に視線を感じる。


彼が私を見つめてる気がする。


その真偽はわからなかった。


私が振り返らなかったからだ。