出会う前のキミに逢いたくて

<シンジ>

午前のテレビ売り場はすいていた。


やることがないので、商品であるテレビの向きを端っこから順にいじったり、埃はないかチェックしたりして時間をつぶす。


そのとき・・・


心臓がビッグバンを起こした。


太陽が地平線を上るような格好で、上昇するエレベーターにマヤを見つけたからだ。


一瞬で喉がカラカラになった。


突発的に脱水症状を起こしそうだった。


たのむ・・・


オレの近くには来ないでくれ。


そばに来られたらオレ、どうかなってしまいそうだ・・・


心の中でそう叫んだ。