やっぱりオレ、ここへ来たんだ。


この時代へ。


2度目のタイムスリップ。


到着地点は1度目と同じ公園のベンチ。


あの時は何度記憶を辿りなおしてみても、ベンチで朝を迎えたことが解せなかった。


けど、今は違う。


今度はオレ自身の強い意志でやってきたんだ。


自分たちの運命を受け入れて。


オレ、マヤ、原田くんの運命。


時空を超えた三角関係に終止符をうつんだ。


向かいのベンチに例の中年サラリーマンが腰掛けた。


あの時と同じ、どこまで地味なんだというくらいの、どこにでもあるような紺のくたびれたスーツに銀縁のメガネ。
(本当は“あの時”という言い方はおかしい。“あの時”よりも今の方が過去なんだから…たぶん)