マヤからの電話。


画面の名前を見ただけで胸が熱くなった。


マヤと話すのは何ヶ月ぶり?


2度目の体験となった去年。


隣にいたのに、声もかけられないもどかしさ。


今の年では雨の日も風の日も、もちろん晴れの日も、毎日のように会ってたのに。


すぐには通話ボタンを押さなかった。


本当は一秒でも早く耳にあて、マヤの声を全身で感じたい。


けど、すぐ出るのって、何かもったいない気がする。


引っ張って引っ張って通話ボタンを押すことにした。


ショートケーキのイチゴをラストまでとっておく感覚。


一度大きく深呼吸する。


もうあと1コールで留守電に切り替わるというところで通話を押した。


端末をゆっくりと耳にあてる。


どっと懐かしさがこみ上げた。