アパートの一室。


目覚めると、二つ折りにしたクッションを枕代わりに床に寝そべっていた。


天井の柄が昨日までと違う。


壁の色も、絨毯の肌触りも。


部屋に漂う匂いも。


上体を起こして辺りを見渡した。


戻ってきたんだ。


オレの本当の部屋に。


現代に。


頭蓋骨の内側から殴られたように頭がズキズキと痛む。


二日酔いだ。


吐き気が、近くを行ったり来たりしている。


テーブルには空の酒瓶がオブジェのように並んでいた。


あまり美しいとはいえない。