寒い夜には【短編】




「なぁ、奈菜。

毎年クリスマス・イヴはどっか行ってるみたいだけどよ…。

どこ行ってんだよ」


『んー、大切な人のところよ』


「はぁ?俺が一番大切だろ?」


『まぁね、でもあの人もとっても大切なの』


彼氏の車で向かうあの人が居る場所。


今日であの約束から何回目の

クリスマス・イヴかな?



「ったく、まぁ心が広い俺でよかったな。

それ以上は聞かねぇけどよ

他の男だったら浮気だーってもめてたぜ」


『そうね、貴方が私の彼氏でよかった。

だから、貴方にも逢って欲しいんだ』


「…なるほどな、だから今年は俺と一緒に居るのか」


『ええ、着いたら話、聞いてくれる?』


「しゃーねーな、聞いてやるよ」


彼は私を見て笑ってた。

本当にいい人と巡りあえたと思う。


私が持っている花束は車の中で揺れていた。