あれから少しして身体を離してもらった。
春斗君はにっこりと笑って
「じゃあ休憩終わったみたいなので」
といってグラウンドの方へ帰ってしまった。
ちょっと様子が変だったけど私何かしたかな…。
そんなことを考えながら二人で帰っていると
名前を呼ばれた。
「実夏先輩」
『…どうしたの?思いつめた顔をして』
春斗君はいきなり立ち止まってしまった。
「先輩って、佐々木さんと仲がいいんですか?」
『え?…別に同じクラスだから。そこまででも…』
話は少しはするんじゃないのかなぁ…?
「そう、ですか…」
『?』
「実夏先輩…」
ぐいっと腕を引っ張られ
『……っ!!?』
唇に何か触れた。