「実夏先輩…」


『ん?どうしたの、はる、と…く…!?』


人前でいきなり抱きしめられてしまった。


『え、え!?春斗君…?』


いきなりの展開のはやさに気持ちが追いつかない。


だって、手を繋いだこともない私が

一気に抱きしめられるなんて!!


少し抵抗してみるがびくともしないで

逆に力が強くなった。




「少しだけ、こうさせてください…」


ぎゅうっと抱きしめられて中々離してくれなかった。

少し、低い声に怖さを覚えた。


春斗君ってこんなに力が強かったんだ…。



可愛いとかそういう彼の面影はどこにもなかった。