昼休み、私達は一緒にご飯を食べる。
彼のためにお弁当を作るのが日課になっていた。
こういうのって彼氏彼女みたいで幸せ。
実際そうなのだけれど。
『春斗君!今日は中庭で食べよう?』
「分かりました。行きましょう、先輩!」
彼は二人分のお弁当を持ってくれた。
そして、私の歩幅に合わせて歩いてくれる。
そんな気遣いに思わず頬が緩んでしまった。
のんびり食べていると茂みから声が聞こえた。
「はい、あ~ん」
「あ~ん!…美味いな」
「本当~?頑張った甲斐があったわ」
ちらっと見てみると、カップルがいて
彼女が彼氏にご飯を食べさせていた。
…正直、羨ましかった。
嬉しそうでちょっと憧れである。
「実夏先輩、どうしたんですか?」
『え?な、なんでもないよ!』
あれをしたいとか、言えない。
平然を装って口に食べ物を運んだ。
…いいなぁ、あれ。