「じゃあ実夏先輩、部活に行ってきます」


『お昼休みにね』


「はい」


にっこり笑って手をひらひらさせながら

春斗君は部活へ行ってしまった。







『はぁー』



……手、繋げなかった。


彼が優しいのは知っている。


告白されたときに「絶対に大切にします!」

って言われたのは覚えている。


だから、私はちゃんと大切にされているのは分かってる。

ちゃんと態度で示してくれて嬉しい。




でも、でもね。

もう一ヶ月経ったんだもん。

手ぐらい、繋いで欲しいよ…。



こう思うのって我侭なのかな?