──そうだ、本題を忘れていた。
「お前朝俺の顔鞄で殴っただろ?」
「…」
喋らない…。
どうやら覚えてないらしい。
「ふーん。覚えてないんだぁ。」
次の瞬間思いもよらぬ言葉が返ってきた。
「今朝のカツアゲしていた人ですか?」
「はぁ?お前何言ってんの?」
驚いた。こいつは…馬鹿…あるいは天然だな。
「えっ?」
アホ面だ。よく見ると、コイツかなり可愛いな。体型も女らしいし。
───俺はコイツにその時の状況を話した。
「カツアゲされてたのは俺で、ムカついたから殴っただけ。そしたら何か知らない女がいきなり鞄を顔に投げ付けてきたんだよ。それがお前だよ。」
理由を話した瞬間女は慌て出した。
「あわわわっ」
やっぱり似てる…。
俺はフッと自然に笑みが溢れる。
「だからさ、お前これから俺の言うこと聞けよ?」
俺は何を言っているんだ?
「なんで見ず知らずの貴方なんかの言うことを聞かなきゃいけないのですか?」
ごもっともだ。

