キミへの気持ちの伝え方


――――――――
―――

「…というわけで、皆さん節度ある夏休みを送って下さいね」
月日が経つのは早く、今はもう一学期の終業式。
夏休みは何しよっかな?
プールも行きたいしお祭りも行きたいし中学時代の友達とも遊びたいし…。
うー、宿題がもっと少なかったら良かったのに。
「いーおりっ!」
「ひゃあっ!?」
夏休みの宿題がズラッと並んだ自分の机を見ていると、ふいに後ろから声がして振り返る前に抱き締められる。
「あ、沙耶」
「どうしたの?机なんかと睨めっこして」
そう話し掛けるのは同じクラスで淳の次に仲良くなった田澤沙耶。
明るくて行動力があって運動神経抜群の元気な女の子。
「えっとね、宿題多いなと思って」
沙耶からもう一度机に視線を戻すと消えることの無い山積みの宿題達と目が合ってしまう。
「あー…確かにこの量は外に出るなって言ってるようなもんだよね…」
本当だよ…
「せっかく、新しい友達が出来ていっぱい遊べると思ったのにな…」
こんなんじゃ、ほとんど外になんて出掛けられないよ。
「……い」
「? 沙耶?」
「可愛いっ!!もう何この子!可愛い事言うんだから!!」
ぎぅーーーっ!!
「!? !?」
いきなりの言葉に驚いていると抱き締められていた腕がもっと力強くなる。
く、苦しい…っ。
「うおっ、何やってんだよ沙耶?」
「げっ、淳!また来た!」
そこに驚いた様子で淳がやってくる。
「げっ、て何だよ…仮にもいとこなのにさ」
「いとこだからげっ、なのよ!」
「それ、余計酷いよな…」
「あはは…」
この二人はいつもこんな感じで目が会う度に何かと言い争い(というか沙耶が一方的に淳に突っかかってる感じ)になる。
だけどその様子が少し楽しそうだからこれはこれでいいのかもしれない。