「ふわあぁぁ~~~…」
うーん、五時間目って果てしなく長い…。
外から入ってくる暖かい日差しと古文の江古田先生のスローな声を聴いてると自然と欠伸が出てしまう。
早く終わんないかな…。
「…さん、…きさん、藤崎さん?」
「ほぇ?」
……あ
し、しまった!
先生にさっきの欠伸見られてたんだ!
「あ、あのぅ…」
「はぁ、しっかり聴いてたかい?」
「はい…」
「なら、ここの古文を現代訳する事だって出来るね?」
「え!?」
どーしようどーしよう!!
ページすら分かんないよ~~
スッ
「…へ?」
すると前の席で寝ていた淳が起きてこっちにそっと小さな紙をくれる。
『この時私はあなたに恋をした』
これ…。
「あ、えっと、この時私はあなたに恋をした…?」
「ん、正解。なんだ、ちゃんと聴いてくれてたんだねぇ。関心関心」
「あははは…」
助かった…?
あ、淳にお礼言わないと。
…ってまた寝てる!?
とりあえずまたあとで言おう…。