「りーなー!プリクラとるぞ!」
「何で私がアンタと撮らないといけな」
「あ、あそこ空いてるー」
「…ちょっと、聞いてよ」
あのまま引っ張られ色んなとこを歩き回って、ゲーセンに行くことになった。
今思うと何でこいつに名前を教えたんだろ…
(きっと私に似てたからよ)
…っ!!!?
「…鈴奈?どうした?」
「な、んでもない…」
なんで貴女がいるの?
ねえ、雛奈…答えてよ…
「鈴奈、顔色悪いけど…?」
「だから、何でもないってば!ほら、プリ撮ったらすぐ帰るわよ、あたしは」
「じゃあプリ撮らなくていい」
「は?何言ってんの?私は時間がな…」
急に抱きしめられ、驚いて言葉が途切れる。
「…ちょ…ちょっと…っ」
「俺、お前に一目惚れした。」
「っ!?」
「だから、お前のこともっと知りたい。」
「…き、急に何言ってんの…」
「最初に鈴奈に名前聞いただろ?俺、実は知ってたんだ…鈴奈のこと。」
「…何で…?」
「お前、学校じゃ結構有名だぜー?」
「アンタまさか…西高なの?」
西高ってのは、西高等学校のこと。
…私が通ってた学校
「まあー…俺も鈴奈と一緒で、不登校っつーか…そんなもんなんだ」
ウソ…そんな風に見えない
「それ、よく言われる」
「えっ!こ、声に出てた!?」
「うん」
笑ってるし…
あたしなんて笑うことすら出来ないのに
「んで、俺はお前ともっと話したい。」
お前が嫌ならいいけどなー、と言ってあたしの方をチラッと見る。
何それ、気になるじゃん
「…いいよ、あたしも気になる」
「じゃ、あの喫茶店でいいよな?あ、親とか大丈夫?」
「…親なんて…あたしのこと…」
「ん?」
「…っあ…何でもない…あたしは大丈夫」「?そっか、」
それからあたしたちは、何事も無かったように喫茶店に入った。