「かみちゃんってばー」

「どうした だいひょー」


もぞもぞと体勢を変え、春風を撫でながら机に肘をついて答えた。


「かみちゃんいくつ?」

「としかー?」

「そぉ」

「いくつだったかなー 三十路に小指が乗っかりそうなくらいじゃねぇかなー」

「おじさんだぁ」

「まだおにーさんだろー」

「だって 春の倍だもーん」

「だいひょーの親よりはわけぇよ」

「春の名前はだいひょーじゃないもーん」

「立派にスピーチしてたじゃねぇか」

「かみちゃんちゃんと見てたんだねー おじさんなのにぃ」

「せんせーさまだぞー こらー」

「おじさんせんせーさまぁー」

「いけめんだろー」

「えー 多岐のがかっこいいよ?」

「……さいでしたかー」

「かみちゃんはねぇ あと5年若ければねー」

「さらりと現実ぶちこむよねー」

「じじつよねぇー」

「男は三十路超えると色気が出るんですー」

「枯れてくんですぅー」

「なんだ だいひょー なかなか毒舌っ子だなー」

「えぇー」

「そうだなー 俺が12歳若ければ相手してやんのになー」

「……? 今してるでしょぉ?」

「だーからぁー お『きーんこーんかーんこーーーん』はぁ……」

「おじさ「はいだまるー」」




…………………………
結構本気だったみたい