ブラック王子に狙われて①




俺は兄貴が付けた“キスマーク”を見て、固まった。


兄貴が言ってたのはコレか。


俺だって、初めて会った日に簡単に付けれたくらいだ。


コイツのガードが超甘いのは十分知ってる。


知ってはいたが……


こうも簡単に付けられたのを見ると…


やっぱり……凹む。


………分かってる。


彼女が何も悪くない事くらい。


どうせ、兄貴が無理やり付けたって事も。


けど、俺以外の男が触れたってだけで、腸が煮えくり返える。



そして、俺は彼女に心にもない事を口走った。



『今日限りでお前を解放してやる』

『だから、これで終わりだ』

『じゃあな』


俺は決して本心で無い“別れ”を告げた。




どうやって自宅に帰って来たのかサッパリ覚えていない。


ただ、ただ……


――――――――涙が止まらなかった。