近場には姿が見当たらないので、グラウンドの方に視線を移す。
!!!!!!!
トラック内で走り高跳びをしている彼を発見。
…………カッコイイ。
彼がバーを飛び越える度、
女子生徒の歓声が沸き上がる。
やっぱり………モテ王子。
「………さん、市村さんっ!!」
「あっ、はいっ!!」
「次ですよ」
「すみません……」
あぁ…彼に見惚れて、自分の競技が…。
ダメダメ…。こんなんじゃ。
頑張ってる慧くんに嫌われちゃう。
………って、既に嫌われてるか…。
『位置に着いて……ヨーイ…パンッ!!』
私はがむしゃらに走った。
彼がいるトラック内を囲むように…。